Fuji Bikes（フジバイクス）は、その名前から日本の自転車メーカーと思われがちですが、実はアメリカのメーカー。もともとは日本の会社だったのですが経営悪化に見舞われ、現在は米国アドバンス・スポーツに引き継がれて復活を遂げている「逆輸入ブランド」です。

もともとFujiは明治時代に東京で「日米商店」として設立され、1951年に日米富士自転車株式会社と改称。まだ軽快車と呼ばれるモデルが登場する前、1955年には既に実用的でリーズナブルな自転車「覇王号」を発表していました。70年代に「デコチャリ」と呼ばれ親しまれたカスタム自転車も日米富士社のもの。生活に根差した自転車を多数生み出す傍ら、日本初となるスポーツ自転車「フェザー」を発表。チタンによる自転車フレームを世界で最初に作ったのも同社です。日本の自転車史に輝く数々の功績、Fujiは日本が誇るべき自転車ブランドなのです。

そんなFujiの自転車は今も高い人気を誇り、特にシングルスピードでは絶大な支持を集めています。2000年代中盤“ピストバイク”が日本のストリートカルチャーを席巻した際には多くのファンを魅了しました。クロモリフレームにこだわりを持ち続けているのも特徴の一つ。「クロモリ」（クロムモリブデン鋼）の特徴は振動吸収性が高く、乗り心地がとてもよいこと。 鉄素材が主となっており耐久性も抜群。元F1レーサー片山右京氏が率いるプロチーム「チーム右京」はFujiのフレームを採用しています。

大胆なフォルムのエアロロードフレームから、スタイリッシュなスチールバイク、活動域の広いトラックレーサーまでラインナップも豊富。SINARIやNAOMIといった和風ネーミングも日本人の心に刺さります。比較的手ごろな価格帯であり、機能性も高く個性的なFuji、新作を含めて今後も目が離せません。